フィロくんの謎の衝動
フィロくん「ねぇ、ソフィーちゃん。最近、なんでこんなに目玉焼きを食べたくなるのか、自分でも不思議で仕方ないんだ。朝起きたらまず『よし、玉子割ろう』って思っちゃう。」
ソフィーちゃん「そんなに強い衝動を感じるなんて、ちょっと面白いわね。私も目玉焼きは好きだけど、毎日必ず食べようってとこまではいかないし。どうしてそんなに惹かれるの?」
フィロくん「うーん、なんとなくあの香ばしい匂いと、フライパンに落とすときの『パカッ』『ジュッ』って音が、朝の空気と合わさって最高に心地いいんだよね。頭がぼんやりしてても、あの音でシャキッとする感じがあるんだ。」
ソフィーちゃん「確かに、あの瞬間って何か儀式っぽいよね。夜から朝へ意識が切り替わるというか。あの一連の流れにすでに癒やされてるのかも。」
朝のキッチンで広がる思考
ソフィーちゃん「そういえばフィロくん、玉子を見ると、なにか哲学っぽいことを考えたりしない? 玉子って“始まる前”のシンボルって感じがあるじゃない。黄身はヒヨコのもとだし、生命が秘められてるようにも思えたりして。」
フィロくん「考えるよ。僕はいつも、パリンと殻を割るときに“ここにはいったい何が詰まってたんだろう”なんて思うんだ。ものすごい可能性が詰まっているような気がしてさ。焼きながら『これがヒヨコになったらどんな世界になってたんだろう』とか想像しちゃう。」
ソフィーちゃん「その発想、好きだな。日常ってこういうちょっとした場面の中に、想像力が働く余地があるのよね。で、目玉焼きってシンプルすぎるからこそ、そこにいろんな考えを付け足したくなるのかもしれない。」
フィロくん「そうそう。本当ならパパッと調理して食べるだけなんだけど、そのシンプルさが逆にいろんな思いを呼び起こす。なんか、無意識が刺激されるっていうのかな。」
目玉焼きの名前が気になる
ソフィーちゃん「それでさ、『目玉焼き』って呼び方、改めて言葉にするとちょっとシュールじゃない? 目玉を焼くって発想、よく考えるとすごいネーミングだと思うの。」
フィロくん「うん、ホラーっぽい響きすらあるよね。でももう慣れちゃってて、誰も疑問に思わないのが面白い。朝に“目玉”って言葉を使うって、ちょっとシュールだけど、案外ほのぼのしてる。」
ソフィーちゃん「もしかしたら、そういう絶妙に変な言葉だからこそ、みんなに覚えられて定着したのかもしれないわ。もし“フライドエッグ”ってカタカナだけだったら、ここまで定着してないかも。」
フィロくん「確かに。『目玉焼き』の呼び方には、もう朝の風景や食卓の光景がセットでイメージされる感じがあるよ。名前自体が歴史を背負ってるというか。」
焼き加減が映す人生観?
フィロくん「そういえば、ソフィーちゃんは黄身はどうする派? 僕は結構ガッチリ固めるのが好きなんだけど。」
ソフィーちゃん「私はね、半熟派。黄身がとろーっと流れたときの、あの“おぉ!”っていう小さな感動がいいの。あれで朝からテンションが上がるんだよ。」
フィロくん「なるほど。僕は流れ出すのがちょっと苦手というか、フォークで食べづらいし、焦げ目の香ばしさが好きで固めちゃうんだけど…これって性格の違いかな?」
ソフィーちゃん「かもしれない。『多少のリスクがあっても、とろとろを楽しむタイプ』と、『安定感を求めて固めに仕上げるタイプ』みたいな(笑)。でも朝ご飯の小さなこだわりに意外と人柄って出るよね。」
フィロくん「ほんとに。焼き加減ひとつとっても奥が深いんだよなぁ。考え出すと止まらない。」
答えを求めなくてもいい目玉焼き
ソフィーちゃん「だけど、なんで朝ご飯に目玉焼きが合うのかっていう問いに、結局はっきりした答えって見つからないじゃない? 『手軽だから』とか『栄養豊富だから』とか、表面的な理由は言えるんだけど。」
フィロくん「うん。もっと根源的なところは、“なんとなく”で片付けちゃえるレベルの感覚的なものだと思うんだよ。あの温かい白と黄のコントラストとか、焼けたときの香りとか。理屈じゃないんだろうなぁ。」
ソフィーちゃん「私、そこが好き。朝の数分で作れてパクっと食べられる。その何気なさが、むしろ多くの人に受け入れられてる気がする。忙しい中でも“味わう時間”をちょっとだけ与えてくれる感じ。」
フィロくん「だよね。味わうだけじゃなくて、ぼーっと“なんでこんなに好きなんだろう?”って考えさせてくれる。そういう瞬間が、日常をちょっと面白くしてくれるような気がする。」
朝の幸せを噛みしめるふたり
ソフィーちゃん「さて、そんなわけで、明日の朝は私、いつもより黄身を柔らかめに仕上げてみようかな。こうやって話してたら、さらにとろとろを追求したくなっちゃった。」
フィロくん「いいね。僕も焼きすぎに気をつけて、少しだけ黄身を流れる状態にしてみようかな。いつもは固める派だけど、たまには新しい感覚を味わうのもいいかもしれない。」
ソフィーちゃん「それが目玉焼きのいいところよね。毎回ちょっとずつ違う仕上がりになるし、その変化を楽しむ余地がある。しかも手軽だし、おいしいし。」
フィロくん「うん。ほんの少しの違いが、一日を変えるかもしれないって思うと、朝が待ち遠しくなるよ。結局、ちゃんとした答えなんて出ないけど、そこがいいんだろうな。」
ソフィーちゃん「ほんとそう。答えが見つからなくても、考えるだけでワクワクする。それが目玉焼きの不思議な魅力。明日もいい朝を迎えられそうね。」