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「誰かを頼りたいのに頼れない ― 強がりが生む孤独感」

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いつも自分ひとりで頑張ってしまう

手伝ってほしいのに、言い出せない

サイコロくん「ジーちゃん、僕、しんどいときでもなかなか人に頼れなくて、結局一人で抱え込んでしまうんです。誰かが『手伝うよ』と言ってくれても、“大丈夫、平気だよ”って強がっちゃって…。なんなんでしょう、この素直になれない性格は。」

ジーちゃん「わかるわ。その“平気なふり”をしてしまう瞬間って、“これくらい自分でやれなくてどうする”っていう責任感や、みっともなく思われたくないプライドとか、いろんな思いが入り混じってるんじゃないかしら?」

サイコロくん「そうかもしれません。助けてほしい気持ちと“自分が弱いと思われたくない”気持ちがせめぎ合って、気づくと断ってしまってる。で、あとから“やっぱり頼めばよかった”って後悔するんですよね。」

頼ることへの抵抗感

失敗や恥を恐れる心

サイコロくん「僕、昔から失敗すると“情けない”って言われるんじゃないかって怖くて…。それが積み重なって、“頼る=自分ができないと認めること”のように感じてしまうんです。だから、ちょっとでも余裕があれば意地でも自力で何とかしようとしちゃう。」

ジーちゃん「頼ると相手に迷惑をかけるんじゃないかとか、自分の無力さを思い知らされるんじゃないかとか。そういう恐れがあるからこそ、“誰かを頼るくらいなら自分で頑張る”って気持ちになるのよね。
でも、その怖さの裏には、何か『こう思われたくない』という強いイメージがあるのかもしれない。」

サイコロくん「そうですね。“人から失望される”とか、“頼りない人間だと思われる”のはすごく嫌だって気持ちが強いかもしれません。その結果、無理しちゃうんですよね。最近はちょっとしたことでも一人で抱え込んで、疲れ果ててしまいます。」

頼り合うことで生まれるもの

それは甘え? それとも信頼?

サイコロくん「でも、世の中には自然と“助けて”と言える人たちもいますよね。僕はそれを見て『甘えてるんじゃないか?』って少し否定的に感じてしまうんです。だけど羨ましくもあって…。矛盾してますよね。」

ジーちゃん「うん、複雑だよね。他人に頼れる人を“甘えてる”と捉えるのか、“上手にサポートを得ている”と捉えるのか。捉え方ひとつで印象はずいぶん変わるわ。“人を頼ることは恥ずかしい”と感じている人ほど、“甘え”という言葉にマイナスのイメージを抱きがちなんじゃない?」

サイコロくん「そう思います。頼ることを“甘え”としか見られない自分がいて、素直に助けてもらう姿勢が取れない。でも、本当はもっと楽になりたいし、周りと一緒にやっていきたい気持ちもあるんです。」

ジーちゃん「そういう気持ちがあるのなら、もしかして“頼る”って言葉じゃなく、“協力してもらう”とか“役割を分担する”みたいに言い換えると、少しは抵抗が薄れるかもしれないわね。言葉のニュアンスの違いだけでも心が変わることがあるよ。」

頼れない自分を見つめる

答えを急がず、少しずつ試してみる

サイコロくん「なるほど…。いきなり“助けて”って言うのはハードルが高いかもしれないけど、“手伝ってもらおうかな”とか“ちょっと意見を聞いてみようかな”なら言えそうな気がします。
でも、こんな小さな工夫で本当に変わるものなんでしょうか。完全には克服できない気がして不安です。」

ジーちゃん「“克服”って言うと、自分の性格を根本から変えなきゃいけない感じがするけど、そんなに大げさに考えなくてもいいんじゃない? まずは“頼れそうな人にちょっとだけ声をかけてみる”とか、小さなステップで試してみたらどうだろう。できそうなら続ければいいし、ダメだったらまた別のやり方を探せばいい。」

サイコロくん「そうか…。大きなことから始めなくていいんですよね。普段から使わない筋肉をいきなり動かそうとしても怪我するみたいに、少しずつ慣らしていけばいいのかな。」

ジーちゃん「そう思う。『自分は人に頼るのが苦手』というスタンスはきっと変わらないかもしれない。それでも、少しずつ“頼ってもいい”場面を増やしてみると、意外な発見があるかもしれないね。
人に頼られたほうも“あ、私も必要とされてるんだ”と嬉しく思う場合だってあるし。」

終わりのない探求

頼れない気持ちと、頼りたい気持ち

サイコロくん「たしかに…。僕自身、誰かに力を貸せたときは“ちょっと役に立てた”って嬉しくなったこともあります。考えてみれば、逆もそうなのかもしれませんね。互いに助け合うって理想的だとは思うけど、なかなかそこに自分から飛び込む勇気がなかったです。」

ジーちゃん「一歩踏み出すのは怖いかもしれないけど、試行錯誤しながら徐々にやってみればいいよ。頼った結果、うまくいかないこともあるだろうけど、全部が全部失敗になるわけじゃないからさ。むしろ一人で抱え続けるほうがずっと負担だと思うわ。」

サイコロくん「ですよね。もちろん、すぐに自分が変われるとは思わないし、“頼る”って言ってもどんな形があるのかまだイメージできない部分もあるんです。でも、このまま“強がり”だけで突き進むのも限界を感じてきて…。もう少し探ってみようと思います。」

ジーちゃん「うん。“人を頼る”ことも、人生のいろんなテーマのひとつだし、絶対の答えがあるわけじゃないからね。やってみて、感じて、また考える。そうやって進んでいけばいいんじゃないかな。」

サイコロくん「そうですね。焦らずに探してみます。いつか“頼るって、こんなにいいものだったんだ”と思える日が来るかもしれませんし、来ないかもしれない。でも、まずは小さなステップを踏んでみます。ありがとうございます、ジーちゃん。」

ジーちゃん「うん。頼れない自分も、頼りたい自分も、どちらも大切な気持ちなんだと思うよ。無理に結論を出さなくていいから、そのまま抱えて、いろんな可能性を試してみればいいわ。」

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