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「どうしても過去に囚われてしまう ― 後悔と向き合う心」

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思い出すたびに痛む記憶

もしもあのとき、違う選択をしていたら

サイコロくん「ジーちゃん、最近、昔のことばかり考えてしまうんです。特に『あのときこうしていればよかった』とか、『もっと別の道を選んでいたら違う人生だったんじゃないか』っていう後悔みたいな思いが頭をぐるぐるして…。」

ジーちゃん「なるほどね。振り返りたくないのに、いつの間にか考えてしまうんだね。過去のことって、どうしようもないとわかっていても気持ちがどんどん深みに入ることがあるんじゃない?」

サイコロくん「そうなんです。頭では『過去は変えられない』ってわかっているのに、どうしても悔やんだり、後悔がよみがえったりして、気づくと自分で自分を責めてしまうんです。もっと頑張れたんじゃないか、もっと違う選択があったんじゃないかって…。」

過去を振り返る理由

未来への不安や今の状況が影響する

サイコロくん「どうして今になって昔のことを思い出すのか、実はよくわからないんですよ。最近、環境が変わったわけでもないのに、急にあの時期のことがフラッシュバックしてきて…。こんなに後悔している自分が嫌になってきます。」

ジーちゃん「人によっては、未来に対する不安が強まったときに“あのときああしていれば、今こんな不安はなかったかも”と過去を振り返ることがあるのよ。あるいは、今の生活が何となく停滞しているときに“昔のあの瞬間、もうちょっと踏ん張っておけば…”って考えてしまうとか。」

サイコロくん「なるほど…。確かに、最近なんとなく今の生活や仕事に行き詰まりを感じていたかもしれません。それで“あのとき違う進路を選んでいれば、今こんな辛い思いをしなくて済んだんじゃないか”って思うようになったのかもしれないですね。」

ジーちゃん「過去がどうであれ、現在と未来のことを考えるうえで、後悔した気持ちを糧にできるならいいんだけど、ただ苦しくなってしまうだけだとつらいわね。」

後悔が生まれる仕組み

当時の状況と今の感覚は違う

サイコロくん「なぜこれほど強く後悔を感じるのか、考えてみたら僕、今の視点で過去を振り返ってしまっているんですよね。“もっとできたはずだ”って言っても、当時の自分には時間や知識、気力の余裕がなかったかもしれないのに…。」

ジーちゃん「そうそう。後悔はどうしても“今の視点”で“過去の自分”を判断しがちだから、当時の限界や事情を無視してしまうことがあるのよ。後悔が深い人ほど“本当はもっとやれたんじゃないか”と自分を追いつめてしまいがち。」

サイコロくん「そう考えると、過去の自分はあのときのベストな判断をしてたかもしれないって思うんです。でも、今の感覚で思い返すとどうしても足りなかったように見えてしまうし、だからこそ悔しさが大きいのかもしれません。」

ジーちゃん「まさにそこが後悔の落とし穴。だから“もしもあのとき”に囚われるより、どうしても悔しいなら『当時の自分も頑張っていたんだ』と認めたうえで、今これからどうしたいのかを見つけていくほうが、心が少し楽になるかもしれないわよ。」

過去への見方を少し変えてみる

悔しさとともに、得たものもあるはず

サイコロくん「確かに、あのときの僕なりに精一杯だったとは思うんです。でも、それを思い出そうとすると、なんだか胸が締め付けられるような恥ずかしさや切なさがあって…。」

ジーちゃん「恥ずかしさや切なさも、立派な心のサインだね。失敗と思っていることも、今振り返ってみると“あの経験がなかったら、今の自分はこんなふうに考えられないな”と思える部分があるかもしれない。
どんなにつらい経験でも、そこから“いま”に繋がる何かを得ている可能性があるのよ。」

サイコロくん「そういえば、あのときの挫折があったからこそ、今のこの仕事を選んだところもあるかもしれません。あれがなければ全然違う道に進んでいたかも…。」

ジーちゃん「そうなの。過去には後悔だけでなく学びや出会いだって詰まっているはず。苦い思い出を一色だけで塗りつぶすのではなく、そこに隠れている宝物も探してみるといいんじゃない?」

過去の呪縛を解く小さなステップ

“いま”と向き合うための問いかけ

サイコロくん「でも、分かっていてもどうしても“あのときこうしていれば”が頭から離れないんです。具体的に、もう少し“今に目を向ける”にはどうしたらいいんでしょう…?」

ジーちゃん「一番簡単な方法は、“いま自分が持っているものは何か”に意識を向けることかしら。人間は後悔に浸ると“失ったもの”ばかり見つめがちだけど、“今ここにあるもの”や“これまで積み重ねてきたもの”に気づけると、少し心が安定することがあるの。」

サイコロくん「今ここにあるもの…。友人関係や仕事のスキルとか、自分の趣味とか、そういうことですかね?」

ジーちゃん「そうそう。些細なことでもいいから、“いま持っている資源”を数えてみるのよ。もしどうしても気持ちが落ち込むなら、紙に書き出してみてもいいかもしれない。“昔はなかったけれど、今は手に入っているもの”を振り返るだけで、過去をすこーし客観視できる場合もあるの。」

終わりのない後悔を優しく見つめる

過去は変わらないが、未来は揺らぐ

サイコロくん「なるほど…。やっぱり、“今に目を向ける”って言葉だけじゃなくて、具体的に書き出してみるとか行動に移すのが大事なんですね。過去に囚われるときって、心の中だけで堂々巡りしてる気がするので…。」

ジーちゃん「そう、考えすぎると頭の中だけで完結しちゃって、どんどん深みにはまることもある。だから、どんな小さな行動でもいいから、“今”に足を着けるって大切だと思うわ。そうすると少しずつ過去から距離を取りつつ、『これからどうする?』という選択肢が見えてくるものよ。」

サイコロくん「はい、やってみます。過去の自分への否定や責める気持ちばかりだったけど、もしかしたら当時の僕も精一杯やっていたのかもしれないって認めてあげるところから、少しずつ解放されるかもしれません。」

ジーちゃん「その通り。過去を変えることはできないけど、いまの自分の捉え方は変えることができる。後悔は一生のテーマになることもあるけれど、“あのときの自分に教えてもらったから、今こんな気づきがある”と優しく振り返ることができたら、後悔も悪いだけの存在じゃなくなるんじゃないかな。」

サイコロくん「そうですね。“後悔があるからこそ成長できる”って思えたら、もう少し気が軽くなりそうです。今夜は自分が手にしているものや、これまで積み重ねてきたことを書き出してみます。過去を捨てるんじゃなくて、噛みしめながら前を向けたらいいな。」

ジーちゃん「焦らずじっくりね。後悔はそのままじゃ苦いけど、味わい方次第で糧にもなるかもしれないから。」

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