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「どうしても眠れない夜に ― 頭の中でぐるぐるする不安」

目次

そもそも、なぜ眠れない?

夜に溢れ出す考えごとの正体

サイコロくん「最近、ベッドに入っても全然眠れなくて、ずっと頭の中がぐるぐるしているんです。昼間はそうでもないのに、夜になると急に“あれもこれも”と気になっちゃって…。」

ジーちゃん「わかるわ。夜って静かだからこそ、自分の心の声がくっきり聞こえてくるのよね。特に、心配事や後悔、将来の不安なんかは、夜中に一番大きな音を立てるっていうから。」

サイコロくん「そうなんですよ。昼間はバタバタしていて意識が別のことに向いているんですけど、夜になると『あの時の発言、まずかったかな』とか『明日やるべきことが多すぎる…』とか、いろんな思考が暴走する感じです。」

ジーちゃん「そういうときって、無理に寝ようとすればするほど“寝なきゃ、寝なきゃ”が逆にプレッシャーになってしまうのよね。気づけばもう深夜3時、みたいな。」

夜の思考が暴走するわけ

余白ができると不安が顔を出す

サイコロくん「どうして昼間はそこまで考えないことを、夜になると思い出しちゃうんでしょうか。真っ暗な部屋の天井を見ていると、考えごとの渦にのみ込まれる感じがするんです。」

ジーちゃん「ひとつには、昼間は意図せず“外の世界”に意識が向きやすいのに対して、夜は“自分の世界”に集中する時間が増えるから、かもね。誰にも邪魔されないぶん、心の奥底に押し込んでいたものが、ひょこっと顔を出すの。」

サイコロくん「それかもしれないですね。もしかすると僕は、昼間は忙しさでごまかしていて、実際にはずっと気になってたことが夜に噴き出してるのかも。普段ちゃんと向き合ってないから、夜中に急に襲ってくるというか。」

ジーちゃん「うん。心の中に不安や悩みの“種”があって、それが昼間は眠っているけど、夜の静寂の中で“これを忘れないで”って呼びかけてくる感じかもしれないわね。」

不安を飼い慣らすヒント

逃げるより、一緒にいる時間を作る

サイコロくん「でも、正直言って眠る前に嫌なこと考えたくないし、不安とはできるだけ距離を置きたいんです。向き合うとか、余計に眠れなくなりそうで…。」

ジーちゃん「たしかにそうだよね。実際、深夜に心配事を考えこんでもいい結果はあまり出ないし、“夜の思考はネガティブになりがち”とも言うし…。でも、昼間にあえて少しだけ“心配と向き合う時間”を作るのはどうかしら?」

サイコロくん「昼間に? たとえば仕事や学校の用事の合間でもですか?」

ジーちゃん「そう、ほんの10分でもいいから“悩む時間”をとって、“気になること”を書き出したり、頭の中を整理してみるの。わざわざ時間を決めて悩むって変な感じかもしれないけど、意外と“この不安はここでまとめておこう”と思えるものよ。」

サイコロくん「なるほど…。悩みごとを書き出すとか、向き合う場を昼間にあえて作っておけば、夜中になって急に押し寄せてくるのを少し減らせるかもしれませんね。」

ジーちゃん「そうそう。人の心って面白いもので、“またあとで考えればいいや”と思えるだけで、不安が少し落ち着くことがあるのよ。」

夜の自分を観察する

考え方を変えなくても、眺めてみる

サイコロくん「それでも夜に不安が出てきたら、僕はどうしたらいいんだろう…。やっぱり考えないようにするのがベストなのかな。」

ジーちゃん「無理に考えないようにするより、“また出てきたね、こんばんは”って声をかけるつもりで眺めるのはどう? 思考を止めようとすると、逆に頭にこびりついて離れなくなったりするものだから。」

サイコロくん「“こんばんは”ですか…。ちょっと面白いですね。ネガティブな思考が現れたら、あえてそれを認めてあげるんですね。」

ジーちゃん「そう。考え方を強制的にポジティブに変えるんじゃなくて、“そこにいる”ことを受け入れてみる。気にしないようにするとか、追い払うんじゃなく、ただしばし一緒に過ごす。すると、不思議と少し和らぐことがあるの。」

サイコロくん「なるほど…。確かに、追い出そうとするほど、しつこく居座るものってありますよね。不安もそんな感じなのかもしれませんね。」

睡眠不足を楽しむ? それとも…

結論は出さないまま、翌朝を迎えてみる

サイコロくん「ちなみに、どうしても眠れなくて夜中に起きてるとき、イライラしてしまうんですけど、ジーちゃんはどうしてますか?」

ジーちゃん「私の場合は、“眠れないなら起きてやろうじゃないの!”って開き直るときもあるわよ。でも、寝たいのに寝られないときは、すごく辛いものだから、あまり無理しなくていいと思うわ。たとえば、好きな音楽を小さくかけたり、ちょっとストレッチしたり、誰かが作った“寝落ち系動画”を見たりとか。」

サイコロくん「確かに、無理に布団にしがみついてると、余計に焦って眠れなくなりますからね。何か軽い行動をとって、流れを変えるのはいいかも。」

ジーちゃん「そうね。それでも眠れなかったら、次の日は少し仮眠をとったり早めに寝たりして調整できればいい。大事なのは“眠れなかった”ときに自分を責めすぎないことじゃないかな。」

サイコロくん「そう聞くと、いくらか気が楽になります。“絶対に寝なきゃいけない”って思うほど、プレッシャーが高まっていましたし…。もし眠れなくても、人生終わるわけじゃないですもんね。」

ジーちゃん「そう。私も若いころから、どうやっても眠れない夜があったけど、振り返ってみれば、それがきっかけで深く考え事をして、翌朝に少し晴れた気分になることもあったわ。夜の魔力は、あなどれないわね。」

深夜の静けさを味わう

答えを探さず、眠気がくるのを待つ

サイコロくん「そっか…。もしかしたら、眠れない夜って悪いことばかりじゃないのかもしれませんね。普段は避けている考えや感情と出会うチャンスでもあるんだ…。」

ジーちゃん「そう思うと、ただただ苦しいだけじゃなくなるでしょう? もちろん、寝不足で体調を崩すのは困るけど、“どうしようもない夜”を少しだけ楽しんでみる気持ちを持つと、心が軽くなることもあるよ。」

サイコロくん「はい、なんだか少し安心しました。今夜も眠れないかもしれないけど、そのときは“ああ、今は不安の時間なんだね”って眺めてみます。僕だけじゃなく、世界中に眠れず起きてる人もいるかもしれませんしね。」

ジーちゃん「そうよ。夜空を見上げれば、同じように眠れない人たちがどこかにいる。そんなことを想像してみるのも、寂しさがちょっと柔らぐかもしれないわね。」

サイコロくん「そう思ったら、夜が少し広がって感じられそうです。ありがとうございます、ジーちゃん。今夜はちょっと違う気持ちでベッドに入れそうです。」

ジーちゃん「うん。答えを急ぐ必要はないから、心のささやきを耳で聴くように、そのままを受け止めてみて。いつか、ふとした瞬間にスッと眠りにつけるかもしれないからね。」

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